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なつみのひとこと「10万円を超えないと無理」で見送る年がもったいないので、基準額から整理しました。

税金・制度

医療費控除は10万円からではない|総所得200万円未満は5%が基準、計算式と保険金の差し引き方

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確認状況: 公開時点で、国税庁の公表ページ(更新日:令和7年4月1日現在法令等)に記載された内容を確認しています。

担当: なつみ(家計目線の制度整理)

1年間の医療費がかさんだとき、確定申告で税金が戻る可能性があるのが医療費控除です。ただ、「10万円を超えないと使えない」と思い込んで、申告できたはずの年を見送ってしまう人が少なくありません。

実際には、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく「総所得金額等の5%」が基準になります。パート勤務や、産休・育休で年収が下がった年などは、10万円に届かなくても対象になることがあります。

先に結論:計算式と基準額

項目 内容
控除額の計算 (実際に支払った医療費の合計額 − 保険金などで補填される金額)−(10万円 または 総所得金額等の5%)
差し引く基準額 総所得金額等が200万円以上なら10万円/200万円未満なら総所得金額等の5%
控除額の上限 最高200万円
対象になる医療費 自己または生計を一にする配偶者・親族のために支払ったもの
対象の期間 その年の1月1日から12月31日までに支払ったもの

いちばん多い誤解:「10万円」は全員共通の基準ではありません。総所得金額等が200万円未満なら、その5%が基準です。総所得金額等が150万円なら、7万5,000円を超えた分が対象になります。

1. 誰の分まで合算できるか

国税庁の説明では、医療費控除の対象は「納税者が、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費」とされています。

ポイントは「生計を一にする」という条件で、同居しているかどうかだけで決まるわけではありません。仕送りをしている学生の子どもや、離れて暮らす親の医療費を負担している場合も、生計が一つであれば合算できる可能性があります。

家計の実務としては、家族の中でいちばん所得の高い人がまとめて申告する形が使われることが多いです。ただし、実際に医療費を支払ったのがその人であることが前提です。

2. 「支払った日」で判定する

対象になるのは「その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費」です。診療を受けた日ではなく、支払った日で区切ります。

年末に治療を受けて、支払いが年明けになった場合、その医療費は翌年分に入ります。逆に、12月中に支払いを済ませられるなら、その年の医療費として計算できます。年末に治療が集中しているときは、支払いのタイミングで区切りが変わる点を覚えておくと迷いません。

3. 保険金の差し引き方に注意

ここが実務でいちばん間違えやすいところです。国税庁は、「保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引きません」と説明しています。

ケース 差し引き方
入院費20万円に対し、入院給付金が30万円 差し引くのは入院費20万円まで。余った10万円を、別の通院費から引く必要はない
入院費20万円に対し、入院給付金が5万円 入院費から5万円を差し引き、残り15万円が医療費に

つまり、保険金は「もらいすぎた分」を他の医療費にまで波及させないという考え方です。ここを誤ると、本来使えたはずの控除額を自分で削ってしまいます。

4. 具体例で計算してみる

例1:総所得金額等400万円、年間の医療費が25万円、保険金の補填なし
基準額は10万円。25万円 − 10万円 = 15万円が医療費控除の額になります。

例2:総所得金額等150万円、年間の医療費が12万円、保険金の補填なし
総所得金額等が200万円未満なので、基準額は150万円 × 5% = 7万5,000円。12万円 − 7万5,000円 = 4万5,000円が対象です。10万円に届いていなくても使えます。

例3:総所得金額等400万円、医療費30万円、入院給付金8万円(入院費20万円に対して)
30万円 − 8万円 = 22万円。そこから10万円を引いて、12万円が控除額です。

なお、医療費控除で戻ってくるのは「控除額そのもの」ではなく、控除額に税率をかけた分の税金です。控除額15万円で所得税率10%なら、所得税の軽減はおおよそ1万5,000円。住民税にも影響します。金額のインパクトを過大に見積もらないほうが、判断を誤りません。

5. 申告に向けて用意するもの

  • 領収書やレシート:医療費控除の明細書を作るもとになります。医療機関ごと・人ごとに分けておくと集計が早くなります。
  • 医療費通知:健康保険組合などから届くものを使うと、明細書の記入を簡略化できる場合があります。
  • 保険金の支払通知:どの治療に対していくら補填されたかを確認します。
  • 交通費のメモ:通院のための公共交通機関の運賃は対象になり得ますが、領収書が出ないことが多いため、日付・区間・金額を記録しておきます。

医療費控除は年末調整では処理できないため、確定申告が必要です。会社員でも、この控除を使う年は自分で申告することになります。

6. セルフメディケーション税制との関係

ドラッグストアで対象の医薬品を購入している人は、セルフメディケーション税制という選択肢もあります。ただし、この特例を使う場合は通常の医療費控除を併せて受けることはできません。どちらか一方を選ぶ形です。

医療費が10万円(または総所得金額等の5%)に届かない年は、セルフメディケーション税制のほうが有利になることがあります。条件と計算方法は、別記事で整理しています。

確認できた情報

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本記事は制度の一般的な説明です。対象になる医療費の範囲や計算は、個別の事情によって変わります。申告にあたっては、所轄の税務署または税理士にご確認ください。制度は改正されることがあるため、申告前に国税庁の最新ページを再確認してください。