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なつみのひとこと消えるのは金額の壁だけです。シフトを削る前に、雇用契約書の所定労働時間を見る順番にしました。

税金・制度

106万円の壁は2026年10月に撤廃予定|週20時間で厚生年金へ、手取り減をやわらげる3年間の特例まで確認

制度解説2026年8月確認確認目安 8分Xで共有
106万円の壁は2026年10月に撤廃予定|週20時間で厚生年金へ、手取り減をやわらげる3年間の特例まで確認 の案内イメージ

確認状況: 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」ページと、厚生労働省 社会保障審議会医療保険部会 資料「被用者保険の適用拡大について」を確認しています。

担当: なつみ(家計・クレカ・税金)

パートやアルバイトで働く人が気にしてきた「106万円の壁」は、正確には月額賃金8.8万円以上という加入要件のことです。年額に換算すると約106万円になるので、そう呼ばれてきました。

この賃金要件が、2026年(令和8年)10月に撤廃される予定です。日本年金機構のページに、今後の予定として明記されています。撤廃されると、判定の中心は「週に何時間働く契約か」に移ります。

CONTENTSこの記事の目次

先に結論

何が変わる 短時間労働者の加入要件から、賃金要件(月8.8万円以上=年収106万円相当)が撤廃される
時期 2026年(令和8年)10月予定。日本年金機構が今後の予定として案内
残る要件 週の所定労働時間が20時間以上/学生でないこと/勤務先が対象規模であること
混同注意 130万円の壁(家族の扶養から外れる基準)は今回の対象ではない
緩和策 対象となる小規模企業の短時間労働者に、3年間の保険料負担軽減の特例
確認日 2026年8月19日

先に押さえる1行:消えるのは「金額の壁」だけです。週20時間の壁は残るので、収入を抑えるより先に、雇用契約書の所定労働時間を見るのが順番です。

そもそも今の加入要件は4つある

日本年金機構によると、短時間労働者が健康保険・厚生年金保険の加入対象になるのは、次のすべてに当てはまる場合です。

  1. 週の所定労働時間が20時間以上であること
  2. 所定内賃金が月額8.8万円以上であること
  3. 学生でないこと(卒業見込証明書を持つ人や夜間課程の学生などは対象)
  4. 特定適用事業所等に勤務していること(勤務先の規模)

このうち2番だけが撤廃されます。1・3・4は残ります。つまり「年収を106万円以下に抑えれば加入しなくて済む」という調整方法が使えなくなり、判定は契約上の労働時間に寄っていきます。

なぜ撤廃されるのか

厚生労働省の資料には、理由がはっきり書かれています。最低賃金が1,016円以上の地域では、週20時間働くと賃金要件(年額換算で約106万円)を満たすため、要件として機能しなくなるからです。全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めたうえで撤廃する、という整理になっています。

法律上は「公布から3年以内の政令で定める日から施行」とされており、日本年金機構はその予定時期を令和8年10月と案内しています。なお、最低賃金の減額特例の対象者については、申出により任意加入を可能にすることも示されています。

加入すると、減るものと増えるもの

家計の話としては、ここがいちばん大事です。手取りが減るのは事実ですが、減るだけではありません。

減るもの 増えるもの
厚生年金保険料・健康保険料の本人負担分(原則として労使で半分ずつ負担) 将来受け取る老齢厚生年金。障害厚生年金・遺族厚生年金の対象にもなる
毎月の手取り 健康保険の傷病手当金・出産手当金といった、働けない期間の給付

「手取りが減るから損」と判断する前に、その保険料が何を買っているのかを見ておくと、シフトを削るかどうかの判断が変わることがあります。特に病気やけがで長く休んだときの傷病手当金は、国民健康保険にはない給付です。

手取り減をやわらげる3年間の特例

厚生労働省の資料には、適用拡大の対象になる比較的小規模な企業で働く短時間労働者に向けて、3年間、保険料の本人負担割合を国の定める割合に軽減できる特例的・時限的な経過措置を設けると書かれています。就業調整を減らすことがねらいです。

労使折半を超えて事業主が負担した保険料は、制度的に支援されます。標準報酬月額ごとの本人負担割合は次のとおりです。

標準報酬月額(年額換算) 労働者の負担割合
8.8万円(106万円) 50% → 25%
9.8万円(118万円) 50% → 30%
10.4万円(125万円) 50% → 36%
11万円(132万円) 50% → 41%
11.8万円(142万円) 50% → 45%
12.6万円(151万円) 50% → 48%
13.4万円(161万円) 50%

収入が低いほど軽減幅が大きく、13.4万円まで来ると通常の労使折半に戻る設計です。ただしこれは3年間の時限措置で、適用されるかどうかは勤務先の対応によります。勤務先からの案内を確認してください。

あわせて、事業主側にも支援があります。労働時間の延長や賃上げを通じて労働者の収入を増やす事業主を、キャリアアップ助成金で支援する措置(1人当たり最大75万円)が検討されているとされています。

企業規模の要件は段階的に消えていく

賃金要件のあとに控えているのが、企業規模要件の撤廃です。厚生労働省の資料では、実施時期が次のように示されています。

企業規模(常勤の従業員数で判断) 実施時期
500人超 2016年10月(実施済み)
100人超 2022年10月(実施済み)
50人超 2024年10月(実施済み)
35人超 2027年10月
20人超 2029年10月
10人超 2032年10月
10人以下 2035年10月

日本年金機構のページでは、令和9年10月に被保険者数36人以上、令和11年10月に21人以上、令和14年10月に11人以上へ拡大、と案内されています。数え方の表現が違うだけで、指している時期は同じです。

さらに、常時5人以上を使用する個人事業所については非適用業種が解消され、被用者保険の適用事業所になります。既存の事業所には当分の間適用しない経過措置が置かれています。

「130万円の壁」と混同しない

ここを取り違えると、確認する場所を間違えます。

106万円(月8.8万円) 130万円
自分の勤務先で厚生年金・健康保険に加入する基準 家族の健康保険の被扶養者から外れる基準
2026年10月に撤廃予定 今回の改正の対象ではない
確認先は勤務先と年金事務所 確認先は家族の勤務先の健康保険組合など

撤廃されるのは前者の賃金要件だけです。家族の扶養に入っている人は、130万円の基準は引き続き別に確認してください。

今からできる確認3つ

  • 雇用契約書の「週の所定労働時間」。判定に使われるのは実際に働いた時間ではなく、雇用契約で決まっている時間です。20時間ちょうど前後の人は、契約書の記載を見てください。
  • 勤務先の規模。2026年10月時点で対象になるのは、すでに適用拡大の対象になっている規模の事業所です。自分の勤務先が対象かどうかは、勤務先の総務や年金事務所で確認できます。
  • 勤務先からの案内。負担軽減の特例が適用されるか、加入手続きをいつ行うかは勤務先の対応によります。秋以降に案内が出る可能性があるので、見落とさないようにしておきます。

よくある質問

Q. 2026年10月から自動的に加入になりますか。
A. 週の所定労働時間が20時間以上で、学生ではなく、勤務先が対象規模であれば対象になります。手続きは勤務先が行います。自分で申し込む必要はありませんが、案内が来たら内容を確認してください。

Q. 週19時間の契約なら対象外ですか。
A. 週の所定労働時間が20時間未満であれば、短時間労働者としての加入要件は満たしません。ただし判定は雇用契約上の所定労働時間で行われるため、契約変更があった場合は変わります。

Q. 学生は加入することになりますか。
A. 学生でないことは要件として残ります。ただし卒業見込証明書を持つ人や夜間課程の学生などは対象になる場合があるため、勤務先に確認してください。

Q. 手取りはいくら減りますか。
A. 一律の金額は出せません。保険料は標準報酬月額で決まり、健康保険の保険料率は都道府県や健康保険組合によって違うためです。金額は日本年金機構の保険料額表と、勤務先からの案内で確認してください。負担軽減の特例が適用される場合は、上の表の割合で本人負担が下がります。

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注意点

この記事は公表されている制度内容の確認を目的とした一般的な案内です。加入の可否は、雇用契約の内容、勤務先の規模、勤務先の健康保険の種類によって判断されます。賃金要件の撤廃時期は「予定」として案内されている段階であり、施行日は政令で定められます。

掲載内容は2026年8月19日時点の公式情報をもとにしています。個別の判断や手続きについては、勤務先、年金事務所、加入している健康保険の窓口へご確認ください。