年金受給者がお金を借りる公的機関唯一の融資年金「担保貸付制度」

年金受給者がお金を借りる唯一の公的融資・年金担保貸付制度とは
年金受給者がお金を借りるには3つの方法があるのをご存知ですか。
それが「年金担保貸付制度」「生活福祉資金貸付制度」「カードローン」です。
今回はこのうちのひとつ、年金担保貸付制度について解説していきます。
年金を担保にお金を借りることは法律で禁止されていますが、唯一、年金担保貸付制度だけは公的融資として利用が認められています。
実はこの制度は令和4年3月末の予定で申込受付が終了します。
それに伴う代替措置はありますが、駆け込み需要も予想されるだけに早めにチェックしておきたいところです。
この制度を利用する際のメリット、デメリットについて解説していきます。
目次
年金手帳を使う年金担保ローンは公的融資以外は危険
年金担保貸付制度は「年金担保ローン」と呼ばれるもののひとつで、正確にはほかに2種類あります。
対象者が労災年金の受給者である「労災年金担保貸付制度」と元公務員などに限られる「恩給・共済年金担保融資」。
注意していただきたいのは公的な年金担保融資制度はこれだけということ。悪徳業者や闇金などの業者が年金手帳を使って前借りさせる融資をしているケースがありますが、絶対に受けないようにしてください。
今回は利用する人の多い年金担保貸付制度のみを紹介していきます。
年金担保貸付制度を利用できる条件とメリット・デメリット
この制度を管理しているのは、厚生労働省所管の独立行政法人「福祉医療機構」です。
病院、診療所、老健施設、社会福祉法人への資金貸付や年金受給権を原資とする資金貸付を行っています。
では、どんな人が融資してもらえるのか?条件そのものは、一般的な人ならとくに難しいものではありません。
年金担保貸付制度の条件
国民年金や厚生年金などの年金を受給している
自分が受給している年金の証書を持っている
生活保護を受けていない
年金担保貸付制度のメリット
年金担保貸付制度のメリットは、なんといっても低金利にあります。
平成30年に改定された利率では、銀行カードローン(約15%)や消費者金融カードローン(約18%)よりもはるかに低い、年2.8%という金利。
さらに、借りたお金をどんな目的で使うか、使い道を報告する義務はありますが、基本的に自由に使えます。
毎月の年金から自動的に天引きされるシステムなので、自分で返済の手続きをする手間が省けます。
月々の返済額が決まっていて、年金が減れば返済額も減るようになっています。
デメリットは時間がかかる・連帯保証人が必要(代替措置あり)なこと
この制度のデメリットは審査に4~5週間ほど時間がかかること。
さらに、連帯保証人が必要なんですね。条件も以下のように決められています。
3親等以内の親族
申込者と同じ都道府県に住んでいる人
70歳未満の人
年収が750万円以上ある人
とはいえ、連帯保証人が立てられない場合の方法もあります。
それが、信用保証機関(公益財団法人・年金融資福祉サービス協会)が保証人を引き受ける信用保証制度。
この場合は有料となるため、信用保証機構に保証料を支払うことになります。
年金担保貸付制度からの借入額が増えると、信用保証機構に支払う保証料も増えます。
どのくらいの費用になるのか、金額などを打ち込む「信用保証料簡易シミュレーション」があるので、検索してあらかじめ確認してみてください。
令和4年3月末で申込受付を終了予定、代替措置はあります
実はこの制度は令和4年3月末の予定で申込受付を終了することになっています。
しかし、貸付終了に伴う代替措置があります。一定の審査要件を満たす人は「生活福祉資金貸付制度」の利用に統合されるようです。
生活福祉資金貸付制度についてはこちらの記事で取り上げているので、参考にしてみてください。
申込受付終了時には残っている借入額を繰り上げて返済する必要もないとされているのでご安心ください。
これから駆け込み需要も見込まれますが、審査期間も長いので早めに対応しておいたほうがいいかもしれません。
公的融資・年金担保貸付制度のまとめ!
年金を担保にお金を借りることは法律で禁止されていますが、唯一、公的融資として利用が認められているのが「年金担保ローン」です。
そのうちのひとつが年金担保貸付制度で、そのメリット・デメリットはこちら。
メリット
年2.8%の低金利
借りたお金の使い道は自由
デメリット
審査に4~5週間ほど時間がかかる
連帯保証人が必要(ただし、立てられない場合、有料で信用保証制度が利用できる)
年金担保貸付制度は令和4年3月末で申込受付の終了が決まっています。
利用するなら駆け込み需要が起きる前に、時間のかかる審査だけは済ませておきましょう!