母子家庭でお金を借りる「母子寡婦福祉資金」貸付システムとは?

母子家庭でお金を借りる「母子寡婦福祉資金」貸付システムとは?
母子家庭でお金を借りるなら「母子寡婦福祉資金」という貸付システムがあります。
正確には「母子父子寡婦福祉資金貸付金」と呼ばれるもので、20歳未満の子供を扶養している母子・父子家庭が利用できる貸付制度です。
厚生労働省が所管省庁となって、都道府県、指定都市または中核市が相談窓口を設けているんですね。
母子家庭向けの場合は「母子寡婦福祉資金」、父子家庭の場合は「父子寡婦福祉資金」になりますが、条件は同じ。
貸付の種類はいろいろあり、それによって金額、利子、審査、保証人などの条件が異なってきます。
今回は母子父子寡婦福祉資金貸付金制度のメリットやデメリットをあげながら、利用する際の注意点についてくわしく解説していきましょう。
目次
母子父子寡婦福祉資金貸付金の種類・貸付限度となる金額の目安は?
母子寡婦福祉資金貸付金(母子父子寡婦福祉資金貸付金)には、子どもの進学に関係する資金、またはお母さん、お父さんの事業開始や技能習得に必要な資金など、たくさんの種類があります。
一般的な貸付限度額を記載しましたが、正確には地域によって多少異なるので、ご自分の住んでいる地域の窓口で確認されるのがいいでしょう。
内容 | 一般的な貸付限度額 | |
修業資金 | 子供が事業を開始したり、就職したりするために必要な知識技能を習得する資金など | 月68,000円 |
修学資金 | 高校・専門学校・大学などに通うための授業料、書籍代、交通費などの資金 | 月27,000円から183,000円 |
就学支度資金 | 就学、修業するために必要な被服等の購入に必要な資金 | 40,600円から590,000円 |
事業開始資金 | 事業を開始するのに必要な設備、什器、機械等の購入資金 | 2,850,000円 |
事業継続資金 | 現在の事業を継続するために必要な商品や材料を購入する費用など | 1,430,000円 |
技能習得資金 | 母子家庭の母、父子家庭の父、夫のない女性が知識を得るための学習費用など | 月68,000円 |
就職支度資金 | 就職に必要な服、履物、通勤用自動車(就職をするための準備費用)などの資金 | 100,000円 |
医療介護資金 | 医療又は介護(受ける期間が1年以内の場合に限る)を受けるために必要な資金 | 医療340,000円 介護500,000円 |
生活資金 | 生活の継続に必要な資金(母子・父子家庭となって7年未満の場合) | 月103,000円から141,000円 |
住宅資金 | 住宅の建設、購入、補修、保全、改築、増築に必要な資金 | 1,500,000円 |
転宅資金 | 住宅の移転に必要な資金 | 260,000円 |
結婚資金 | 扶養する20歳以上の子が結婚するときに必要な資金 | 300,000円 |
貸付金利は無利子・連帯保証人のない場合でも1.5%
母子寡婦福祉資金貸付金は返済時の負担軽減のため、連帯保証人をつけた場合に貸付利率が無利子となっているのが特徴です。
連帯保証人は就学支度資金、修学資金、修業資金、就職支度資金を借りる場合には必要ありませんが、そのほかの資金を利用する場合には必要になってきます。
とはいえ、連帯保証人のない場合でも有利子貸付(1.5%)で貸付が認められています。
償還(返済)期限は資金の種類により、3年間から15年間まで。
返済が始まるのも半年後から1年後というように、技能習得のタイミングなどに合わせて考慮されています。
借りられる人と借りられない人の条件
借りられる人と借りられない人の条件は以下の通りです。
母子父子寡婦福祉資金貸付金を借りられる人
20歳未満の子供を扶養している母子家庭の母・父子家庭の父
以前に母子家庭の母で、現在40歳以上の配偶者のいない女性
母子父子寡婦福祉資金貸付金を借りられない人
多額の借金(他のローンなど)がある場合
審査で返せる見込みがないと判断された場合
生活保護でお金をもらっている人
自己破産した人
現在の収入が十分ある人
デメリットは審査時間と滞納(返せない場合)の違約金
この制度のデメリットは審査に時間がかかること、そして、滞納や返せない場合に違約金が発生してしまうことです。
書類も多く、相談から約1ヶ月ほどかかる
申請に必要な書類としては申請書、家族を証明する戸籍謄本、所得証明書、連帯保証人がいる場合は連帯保証人の所得証明書、申請者のマイナンバーがわかるものなどの提出が求められます。
公的融資なので相談後の必要書類の準備、担当者との面談なども含めて、相談から約1ヶ月ほどかかってしまいます。
あらかじめ時間に余裕を持って申し込みの準備をしておきましょう。
滞納したら違約金が発生
また、気をつけたいのは、滞納したら年5%の違約金が発生してしまうこと。
ある日突然、親が以前に借りた母子寡婦福祉資金貸付金を滞納していたことを急に知らされたという人もいます。
このような場合には弁護士に相談するのがいちばんですが、自分が借りて滞納や払えないという状況が予測できるようなら、早めに窓口で相談してください。
母子家庭でお金を借りる「母子寡婦福祉資金」まとめ
母子家庭でお金を借りるなら、母子寡婦福祉資金貸付金(母子父子寡婦福祉資金貸付金)があります。
厚生労働省が所管省庁で、都道府県、指定都市または中核市が相談窓口です。
子どもの進学やお母さん、またはお父さんの事業開始や技能習得に必要な資金などを貸付してくれるシステムです。
特徴
貸付利率は無利子、連帯保証人のいない場合には1.5%
償還(返済)期限は資金の種類により、3年間から15年間まで
返済が始まるのは半年後から1年後
デメリット
用意する書類が多く、審査に時間がかかる
滞納したら違約金が発生、利子は年5%に
借りられる人の条件
20歳未満の子供を扶養している母子家庭の母・父子家庭の父
以前に母子家庭の母で、現在40歳以上の配偶者のいない女子
借りられない人
多額の借金(他のローンなど)がある場合
収入がわかる書類の提出で返せる見込みがないと判断された場合
生活保護でお金をもらっている人
自己破産した人
現在の収入が十分ある人
母子父子寡婦福祉資金貸付金を利用したいとお考えの方は、まずはお近くの市役所や福祉事務所に連絡をしてみましょう。
滞納・返せないという状況にならないように、どうか計画的に利用してください。
仮にそのようなケースになりそうなら、早めに窓口に相談に行くのがおすすめです。